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Nikkei225 Futures technical watching Vol.3

2019年6月第3週の振り返りと来週の主な予定

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2019年6月第3週の振り返りと来週の主な予定

●2019年6月第3週の振り返り
・週間指数動向
今週は、引き続き米国主導の通商問題、Brexit、中東地政学的リスクを背景とする世界的な景況感悪化に対する懸念も、FOMC、ECB理事会での緩和的政策への言及から堅調な展開に。週間ベースでは、TOPIXのみマイナス圏で推移。東京市場は、日経円建て、ドル建ては3週続伸、TPXは3週ぶりの小反落。米国は三指数ともに上昇。DJIA、SPX、NASDAQは3週続伸。欧州は、FTSE、DAXともに3週続伸。中華圏指数は、上海総合指数は続伸、香港は3週続伸の展開に。今週はSPXが5月初旬以来で史上最高値を更新。年間ベースでは全市場がプラス圏で推移。



日経平均円建ては、4月中旬に200日線をギャップで飛ばして上伸したものの、大型連休明けにこれをアイランド・リバーサル化して一段下落。その後は21000円台での揉みあいから再び下抜けて二段目の下落に突入するものの、2月安値水準とのダブル・ボトム素地を形成していったん反発。足元では5月高値水準、50日線、200日線を前に引き続き上げ詰まり気味の展開に。ここからは、5月前半で揉みあった水準が上値抵抗としてワークして三段目の下げに進展していくのか、2月安値-6月安値のダブル・ボトムのネックライン22500処の突破に向かう動きとなるのか注目。なお、日足②→③→④のN値は21940円、①→②→⑤のN値は19440円。また、日経平均一株当たり純資産(BPS)は20050円程度。6/29のG20会合にかけてこの20000~19500円あたりまで突っ込む局面が見られるのか、④の安値を下回らずに200日線トライに向かうのか注目しておきたいところ。



週足ベースではデットクロス中の52週線と26週線に挟まれるエリアで高値切り下げ、安値切り上げの三角持合い、かつMACDが陰陽転がはっきりしない状態。また足型は差し込み線から上に放れた「十字線」からいったん上に向うも押し戻される展開。週足①→②→③のN値は16850円、②→③→④のN値は23690円。ここからは、ここで上げ詰まって6月前半の安値リテストに向かうのか、もう一段上昇して52週線、4月高値テストに向かうのか注目。



S&P500は、5月初旬の上げ詰まりから月末にかけて下押しするものの、6月初旬のFEDによる、辛抱強く→適切に行動、の政策転換を背景に3月安値水準とのダブル・ボトム素地形成から急速に反転。今週は史上最高値更新の展開に。週足ベースでは先々週の「つつみ足→十字線」から上放れ。ここからは奪回した2950P処をフロア化して上値追いに向かうのか、ここでの5月高値とのダブル・トップ形成からいったん戻り一巡となるのかに注目。なお、①→②→③のN値は3320P。また、1998年からITバブルへと続く期間と2007年サブプライム・ショック至る期間と利上げから利下げへの転換思惑の今回との比較は図の通り。ここからこの「どちら」をトレースしていくのか、あるいは2018年特有の動きとなって行くのかにも併せて注目。




NASDAQも概ねSPX同様の展開も、こちらは5月に示現した史上最高値を未更新。引き続きFANG系銘柄の戻りが鈍いなか、「型通り」に5月高値とのダブル・トップ形成から打ち返しの動きとなるのか、50日線水準をフロア化して高値更新に向かうのか注目。



5月に史上最高値を更新したSPX、NASDAQに対して、DJIAは昨年10月に示現した史上最高値を奪回できずに引き続き大きな三尊型トップ素地を形成中。週末金曜日には史上最高値まであと50Pまで接近するもののそこから失速。上髭の長い十字線。ここからは他指数と同様に50日線水準をフロア化して史上最高値更新に向かうのか、「三尊」を否定できずに戻り値順に至るのか注目。DJIA-Nikkeiスプレッドは、例年の4月、5月にしばしば見られる米>日差を詰め得る期間をほぼそれを成し得ず通過すると、FEDの政策転換織り込みを背景に再び本年前半に示現した5000P水準を突破。今後はこの乖離が米指数主導でさらに拡大していくのか、前のめりの「利下げ」思惑がどこかで後退してアンワインドに転じるのか注目。



来週は、中東地政学的リスクへの警戒感が燻ぶり、G20開催で通商問題が目先の佳境を迎えるなか、ここまでの急速な戻りのアンワインドが入ってくるのか、本年前半の「patient」好感相場の再来でさらに戻りを拡大していく展開となるのか注目。

・週間債券動向
今週の債券市場は、FOMCは事前の予想通りに政策金利の現状維持で通過するものの、年前半の「辛抱強く」が「適切に行動」へ転換。通商問題、地政学的リスク等が実体経済に与える影響への懸念の燻ぶりも残って米債利回り低下が進行。米10年債利回りは2016年米大統領選後の持合いレンジ下限を割り込んで一時1%台入りする展開に。30-5y、10-2yスプレッドは、短期サイドがFF金利の低下を織り込んだことからいずれも拡大傾向、中期ゾーンの金利逆転(インバート)傾向も概ね継続。また、期待インフレ率(BEI)は1.7%割れまで下落。一時はBEI低下が10年債利回り低下を上回って、絶対水準は依然として低いものの実質金利が上昇気味の局面も(その後FOMC通過で一気に改善)。ここからは、関税措置発動を背景としたコスト・プッシュ型インフレ懸念から17年レンジ上限、18年レンジ下限向かいの2.7%処方向を目指す動きとなるのか、FF金利引き下げの深堀り思惑、あるいはリスクオフの債券買いから2016年11月の米大統領選、同年6月のBrexit当時の水準につっかける動きとなるのか注目。なお、債券ボラティリティー(TYVIX)は依然として高止まりの展開。引き続き「債券ボラティリティー上昇発」の波乱には警戒しておきたいところ。



期待インフレ率(BEI:10-Year Breakeven Inflation Rate)は、中銀の政策転換思惑、通商問題に対する懸念深化で低下継続もFOMCでの「fact」を受けて反転の展開に。5年先5年物予想インフレ率(5y-5y Forward Inflation Expectation Rate)も期待インフレ率と同様の展開。原油価格の上昇効果以外にインフレ期待が盛り上がらない構図は変わらないなか、中東の地政学的リスクによる原油価格上昇、関税措置によるコストプッシュ型インフレ懸念、あるいは、実体経済減速懸念の先行織り込みに対して、「ビハインド・ザ・カーブ」を嫌うFEDの金融政策との綱引きに注目しておきたいところ。また実質金利(≒長期金利-期待インフレ率)低下にるリスク資産の下支え効果が継続するのか否かも併せて注目。



6/21現在のFEDによる7月会合でのFF金利目標は、現行の2.25-2.50%据え置きは0%で前週の14.9%から低下。2.00-2.25%への利下げ織り込みは67.7%で前週の66.3%から僅かに上昇。1.75-2.00%への利下げ織り込みは32.3%で前週の18.8%~上昇。債券サイドでは概ね7月会合での利下げがコンセンサス。他方でこをに期待したリスク資産の「前のめり」具合は若干懸念されるところ。ここからは、「辛抱強く→適切に行動」によってFEDが自らに足枷をはめた感も否めないなか、原油価格上昇(低下)によるインフレ圧力増加(減少)と金融政策の齟齬、また景況感悪化に対する政策の「ビハインド・ザ・カーブ」には留意しておきたいところ。また、引き続き「金利上昇(低下)+リスク資産買い(売り)」の「伝統的反応」で推移するのか、またはFEDの方向転換により、本年前半の再来で「ゴルディロックス」的、あるい「金融相場」的な動きが継続するのかに注目。



欧州金利は、6月初旬のECB理事会での緩和的政策への転換言及、FEDの政策転換思惑、景況感悪化を受けた米債利回り低下の波及、欧州政治に対する懸念(Brexit、EU懐疑派の躍進)からドイツ国債利回りがマイナス金利を深堀り。また、財政不安に対する懸念の燻ぶるイタリア国債利回りも低下傾向で概ね波乱の無い展開に。景況感悪化懸念からの南欧危機再燃懸念に対しては、TLTRO2でセーフティーネットが準備されているものの、ここからは、引き続きhard Brexit懸念、欧州景気減速、債務規則の形骸化による「欧州発」のリスクオフ再燃の可能性に警戒。



・週間為替動向
今週の主要通貨はFOMC通過で動意。週を通すとEUR高>JPY≧CNH>AUD>USDのUSD安、USDX安。JPYはストレート円では大きく円高、クロス円ではまちまちも東京指数には重荷の展開。引き続き各国金融政策転換思惑を孕んだ自国通貨の「弱さ比べ」と世界的な影響感悪化懸念を背景に、通商問題、hard Bexit、中東の地政学的リスクの再燃を契機としたストレート円での円高進行、人民元安による中国財政状況悪化に警戒。またUSD/CNHが節目の7.0超えが発生するのか否か、またこの時のマーケットの動揺に警戒しておきたいところ。



・コモディティー他
オイル(原油)は、「貿易戦争」深化による将来の需要減、米大統領による口先介入とサウジアラビアによる協調思惑も、イランを巡る地政学的リスクを背景に切り返しの展開に。原油価格下落(上昇)による金利押し下げ(押し上げ)効果と、中銀金融政策による金利低下(上昇)バイアスとの綱引きには引き続き留意しておきたいところ。



「炭鉱のカナリア」ハイイールド債は、株価指数に先行しての戻りで高値硬直の展開に。引き続き「原油価格低下または新興国通貨安(ドル高)→新興国、低信用債利回り上昇→クレジット・リスク」の連想ゲームを念頭に、リスク資産、債券、為替、コモディティー市場の動向とあわせて、「突然死」しないか今後の展開に注目しておきたいところ。



その他では今週ゴールドが急騰。これがUSD高終焉の兆しなのか、あるいは中東リスクへの逃避買いなのか、しばらく様子を見て行きたいところ。



・その他
サプライズ・インデックスは、引き続きマイナス圏で一進一退推移。SPX予想PERと逆行気味の展開に。FEDの「patient→利下げ含み」への政策転換を背景に「bad news is bad news」になり難いゴルディロックス的な展開のなか、政治的混乱、通商問題、ドル高、クレジットリスクによる企業業績圧迫懸念、経済指標のさらなる悪化傾向がリスク資産の許容PER低下を引き起こさないか、またミクロ(企業業績)の悪化がマクロに波及して同指標に異変をもたらさないか注視していきたいところ。



市場センチメントは、直近のリスク資産上昇で久しぶりの50超え。CPCは再び低位圏に。SKEW指数は絶対値こそ低いものの足元は若干上昇気味の展開に。



総体的には、FEDが「辛抱強く→適切に行動」に政策転換するとの織り込みを背景に、実体経済に対して金融政策面での「overdosed」と景気減速圏の綱引きが警戒される構図。引き続き「通商問題」によって大きく振られる局面が見られるなか、低実質金利を背景に「ゴルディロックス」の象徴でもある低VIX、低TYVIX状態に回帰する動きとなるのか、高ボラティリティへの移行から波乱に至るのか注目。中銀ウィークを通過して2Q企業決算に向けて様子見姿勢が想定されるなか、引き続き政治的混乱、通商問題、地政学的リスクを背景とした景況感悪化懸念の可能性に留意していきたいところ。



●来週の主な予定
24日(月)
独IFO企業景況感指数(6月)

25日(火)
日銀議事録(4月24-25日開催分)
米新築住宅販売件数(5月)
米消費者信頼感指数(6月)
パウエルFRB議長、講演
NY連銀総裁、講演
アトランタ連銀総裁、講演
リッチモンド連銀総裁、講演
セントルイス連銀総裁、講演
米中閣僚級通商協議★

26日(水)
米耐久財受注(5月)

27日(木)
米GDP確報値(第1四半期)
米中古住宅販売制約指数(5月)
FRB、銀行ストレステストの第2段階となる包括的資本分析結果発表

28日(金)
日本雇用統計(5月)
米個人所得支出(5月)
G20首脳会議(29日まで)★
米中首脳会談(28-29日)★

29日(土)
G20首脳会議、議長国会見

30日(日)
中国製造業PMI(6月)★
EU、人事に関する臨時首脳会議開催
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